2016年度版Zplus、改修ポイントその3!

実は、今回最大の改修箇所が脚部だったりします。

【脚部】

脚部最大のポイントはスネ部分のパーツ構成の全面に直しと形状のさらなるこだわりの追及です。
昨年のモデルのパーツ構成は生産性を第一に考えた構成になっていましたが、
左右分割にした為、微細なモールドが分断されてしまっており、そこを再建するのに初心者の方に限らず、
上級者の方も大変な苦労をしたというご意見を頂きました。

そこの部分の修正をベルグ社の社長と何度か分割検証を行い、今回の分割に行きつきました。
しかしながらお客様にベストな形状が必ずしも生産にベストかと言うとそうではなく、
複数分割の複雑なゴム型形状にならざる得ない状態で、ここは非常に頭の痛い所です(苦笑)

sune1

形状に関しては昨年のものも「ひとつの答え」だったと今でも思っているのですが、
別の答えとして、ふくらはぎ周辺の三次曲面や、スネ外側スラスタ―の間のラインどりなどを修正させて頂きました。
またスネ外側のメインスラスターカバーの部分も若干ラインを修正しています。

sune_01
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Zplusのスネは、センチネルとそれ以降の商業原型用画稿ではかなり違うのですが、
その中間のラインを探るということで中庸なものを作ると『なんか違う感』や『これじゃない感』が出てしまいます。
そこで僕は、センチネル画稿に絞って造型しています。
センチネル画稿と言っても、実は、変型シークエンス用画稿と、WRモード用画稿も全て形状、
バランスが違っているのが悩ましいところですが、
僕は、個人的に一番好きなMSモードの前パース画稿のスネを主軸に造型を組み立てています。

形状はこの画稿、ディテールはこっちからっていうやり方もあるのですが、
異なった形状同士を足して二で割った的な造形の成功率は壊滅的に低く、
言葉や文字では上手く両立して表現ができても実際の立体物ではそうなっていないケースが多いのですよね(汗)

また、ディティール的には、太もも下の部分の両脇、カカト、腰ビームカノン各部に開いた小さい穴は、
情報量増加の為に2重にしています。
足の甲の上のアーマーは生産方法や強度などが計算されているような形状を考察して再モールドしています。

スネ前アーマー

僕の中で、Zplusの最大の見せ場(パーツ単位でも)はこのスネなのですが、
今回の表現についてはけっこう満足しております。昨年版がいいか、今年のやつが良いかは
お客様に選択して頂ければと思っております。