12月26日(有)RCベルグ様より私が原型製作を担当致しましたスコープドッグ21Cの再販受注がスタート致しました!今回7年ぶりの再販です!
http://www.rc-berg.co.jp/products/gallery_votoms_scopedog21c.html
皆様宜しくお願い申し上げます(笑)
今回のこだわりポイントその2は『上半身』です。
Aの部分ですが、これは人間でいう所の背骨にあたる部分で強度的に言えばここの部分の強度は全身の中でも1~2番の強度を持っている部分で、ここはプレスではなく金属の無垢から削り出しで作られていると想定しています。
この背骨部分はシートのステーや下半身との接合用フレームもかねており、ここが歪む程の衝撃を受けた場合はパイロットの生存率は10%以下となりAT自体も廃棄処分となります。
Bの部分はポリマーリンゲル液のタンクとなります。反対側にもあります。これは上半身用で下半身や脚部はまた別にタンクがあるという事になっています(腹部側面の装甲を外すとタンクが見えます*画像2参照)
右側の画像で赤線で囲われている部分ですが、これは胸の開閉する天板装甲部分が上から何某かの衝撃など(ここを上からATに殴られるとか)を受けた際にこの天板装甲部分がコクピット内部に落ち込んでくるのを受け止める為の段差です。
この部分は何もない立体物が多く、この天板部分がちょっとした衝撃?でコクピット内部に沈み込んでしまっている立体物を見るたびに自分でスコープドッグを作る時は必ずこの天板受けになる部分を作ろうと決めていた部分です。
普通に考えてもパイロット保護の観点からこの段差は有ってしかるべきと思い、僕の方で提案させて頂きました。当然これで全ての攻撃に完璧に耐えられるわけではありませんが、何もないはずがない部分をそのままにしない、機能や構造を考える等こういう事の積み重ねがリアリティや機械としての解像度を上げていくポイントなのです。こういう段差の作業は機体側面などにもそこかしこに果たしてあります(*画像2参照)
画像3天板装甲裏面の水色線のまっすぐになっている部分ですが、通常のスコープドッグの設定画ではここは普通に丸くなっています。なぜここをDカットしたのかといいますとコンソールとスティックが乗降時に天板装甲が閉まっている状態の時にこの前側の部分が丸だとコンソールとスティックが当たってしまうからです。1/24パイロットフィギュアの拳よりコンソールとスティックのサイズを割り出した際、最低限元設定との整合性をとっていくとどうしても物理的に矛盾が生じることがわかりここをDカットすることで操縦時の自由度(画像4参照、スティックと前側にかなりの隙間を確保できた)も確保した上で乗降時に差し支えないようにしました。
画像3天板装甲裏面の赤線部分は上記に記しましたボディシェル部分の段差とかみ合う段差です。
又表から見てスコープドッグの首にあたる部分の裏面にはパイロット保護の一環として衝撃吸収パッドを取り付けてあります(画像4参照)白色の部分がパッドです。解釈によってはここを覗き窓とする説もありましたがここに『穴』が開いている事に対し剛性面での違和感を感じましてここはパイロット保護、剛性確保の観点から金属の無垢からの削り出しによる部品とし、様々な衝撃によりヘルメットが金属部分と極力、直接接触しないようにという事を考慮して衝撃吸収パットをつけるに至りました。
画像5 機体フレームナンバー
黄色い線で囲われている部分は各AT1機1機に固有に割り当てられたフレームナンバーでスコープドッグが1万機あれば1万通り、10万機あれば10万通りの番号が存在します。まさに車のフレームナンバーと同じでアルファベットと数字の組み合わせで構成されています。この番号で軍が機体管理などをおこなっており、廃棄処分になった番号は2度と使われることはありません。このモデルに彫られている番号は僕が手彫りで彫っています(笑)アストラギウス文字を1文字1文字デザインナイフで彫り込んでい行きました。今回のガレージキット製品には当然ながら全て同じ番号になっておりますが、いったん埋めて自分の設定で手彫りで彫り直すもよし、3DソフトやCADソフトでプレート事作り直すのも良いでしょう~
これらの画像はボディシェルを造形している時の画像です。(株)バンダイ様の1/20スコープドッグはこの状態のフレームを参考に機体構成を行っております。スコープドッグ21Cの企画が立ち上がったのと(株)バンダイ様の1/20スコープドッグの企画が立ち上がった時期が近接していたので(株)バンダイ様の当時の担当者である狩野氏へスコープドッグ21Cチームから資料などをお渡しさせて頂きました。
上記画像はコクピット内製作途中画像となります。今見ると色々なマテリアルで製作していたんだなと思いだしました(笑)コクピット内も元設定画稿はリスペクトした上で細かな調整をはかっております。上記ボディシェル記事でも少し触れましたが、ペダルやコンソール、シート形状など全て1/24のフィギュアで検証してから各部の大きさなどを決めております。180㎝クラスのパイロットが操縦しても最低限の操作性を確保できるようにしてあります。
本当はもっともっと書きたいところですが、意外に文字読む方が少ないので(苦笑)今日はこの辺で失礼させて頂きます~
伝わりずらい解説などありました時はお申し付けください。後日補足説明させて頂きます~
解像度の悪い画像にお付き合い頂きましてありがとうございました(汗
小松原