2016年版、Zplusの頭部、もうちょっとお見せします

先日、公開した、今年度版のZplusの頭部について、もっと別角度から見たい!というリクエストなど頂きました。
ただ、非常に申し訳ないのですが、あいにく、それ用の画像を作成する時間の余裕もなかったため、
手短で何かお見せできるものとして、ちょっと印象の変わる「Creo」というCADソフト上の画面を公開いたします。

前回とは角度も微妙に異なりますので、雰囲気を想像していただければ幸いです。
また、CADソフトの画面上での造型物は、どんな状態なのか?といった観点で眺めていただければ!

こちらが、Aタイプのもの。

ヘッドA比較01

そして、こちらがBタイプのものです。

ヘッドB比較01

設定や元祖あさの氏胸像のような少し突き出たフェイスは好き嫌いが出るという事で、今回のBヘッドフェイスはAヘッドフェイスよりも後ろに下げています。もちろんBヘッドヘルメットにAフェイスをつける事も、その逆もできます!手原型ヘッドもちょんまげを少々弄った奴が附属します。

AとBの違いはちょんまげの高さ(先端のカメラ含みます)と、フェイスその物(位置も違います)です。ヘルメットは同じです。手原型のフェイスは少しの加工でデータ原型ヘルメットに装着可能。その逆も少しの加工でOKです。

センチネル当時、あさの氏が、ワークス勢にZplsu造型の注意点として言っていたという『1/144のヘルメットに1/220フェイスを入れた感じ』。今回も、それを念頭に置いてバランスとっています。当時の星氏、長谷川氏の作例を編集部で何度も見ていたのが懐かしいです(笑)

貧弱な顎周りはセンチネルから商業用画稿まで一貫して変わっていない(僕はそう認識しています)ので、その辺も意識しています。僕個人的にはZplusのフェイスは前に突き出ていて貧弱って感じです。やはり星氏、長谷川氏の作例の影響は大きいですね(笑)今回は、自分なりにうまく処理できたかなと。

目の形状はセンチネル初期のカトキ氏、あさの氏の各種画稿にならっています。商業用画稿以前の物を意識して俯瞰から見た時にきつく、下から見た時に優しい感じ。これって当時はRX-78に限った事ではないですよね。

2016年度版Zplus、改修ポイントその4!

胸、腰、脚と改修しましたが、やはりそうなると頭部にも修正を入れたくなります。
2016年版の頭部、改修ポイントは以下のとおりです。

【頭部】

昨年は手原型にて製作しました頭部ですが、今回はデータ原型の方も製作しました。
チョンマゲの高さが高すぎるのでは?という御意見を頂き、それを反映させております。
僕的には昨年くらいの高さが好きなのですが(ワンフェス時代の1/220キット用に『神』に書いて頂いたパッケージがあの位の高さでしたので)皆様のご意見を少しでも反映できればと思い対応させて頂きました。

q1

今回は、その他にもガンダム顔研究家として(笑)
目とマスクの間の部分(黒いクマドリの部分ではなくRX-78ガンダムでいうと目とマスクの間の赤い色の部分です)
の面積を上下に広げたマスクも製作致しました。
このフェイスはヘルメットに対して少し奥まった部分に着くようにしておりますので、
昨年のマスクの位置とは違った見え方を楽しんで頂けると思います。

q2

今回のデータ原型化にあたりまして、ヘルメットの一体構成を取りやめてヘルメット部分は3パーツ
構成に修正しました。こうする事で変形や歪みが最小限に抑えられるようになっております。
そうそう!手原型の方のヘルメットも微細な修正をしてあります(笑)
昨年、首も手原型でしたが、頭部データ化にさいして首もデータ化をおこなっております。
後方へ若干延長して細部も微調整しておりますが、パッと見の変化は後方への延長だけですね(笑)

解説

2016年度版Zplus、改修ポイントその3!

実は、今回最大の改修箇所が脚部だったりします。

【脚部】

脚部最大のポイントはスネ部分のパーツ構成の全面に直しと形状のさらなるこだわりの追及です。
昨年のモデルのパーツ構成は生産性を第一に考えた構成になっていましたが、
左右分割にした為、微細なモールドが分断されてしまっており、そこを再建するのに初心者の方に限らず、
上級者の方も大変な苦労をしたというご意見を頂きました。

そこの部分の修正をベルグ社の社長と何度か分割検証を行い、今回の分割に行きつきました。
しかしながらお客様にベストな形状が必ずしも生産にベストかと言うとそうではなく、
複数分割の複雑なゴム型形状にならざる得ない状態で、ここは非常に頭の痛い所です(苦笑)

sune1

形状に関しては昨年のものも「ひとつの答え」だったと今でも思っているのですが、
別の答えとして、ふくらはぎ周辺の三次曲面や、スネ外側スラスタ―の間のラインどりなどを修正させて頂きました。
またスネ外側のメインスラスターカバーの部分も若干ラインを修正しています。

sune_01
sune_03
sune_04

Zplusのスネは、センチネルとそれ以降の商業原型用画稿ではかなり違うのですが、
その中間のラインを探るということで中庸なものを作ると『なんか違う感』や『これじゃない感』が出てしまいます。
そこで僕は、センチネル画稿に絞って造型しています。
センチネル画稿と言っても、実は、変型シークエンス用画稿と、WRモード用画稿も全て形状、
バランスが違っているのが悩ましいところですが、
僕は、個人的に一番好きなMSモードの前パース画稿のスネを主軸に造型を組み立てています。

形状はこの画稿、ディテールはこっちからっていうやり方もあるのですが、
異なった形状同士を足して二で割った的な造形の成功率は壊滅的に低く、
言葉や文字では上手く両立して表現ができても実際の立体物ではそうなっていないケースが多いのですよね(汗)

また、ディティール的には、太もも下の部分の両脇、カカト、腰ビームカノン各部に開いた小さい穴は、
情報量増加の為に2重にしています。
足の甲の上のアーマーは生産方法や強度などが計算されているような形状を考察して再モールドしています。

スネ前アーマー

僕の中で、Zplusの最大の見せ場(パーツ単位でも)はこのスネなのですが、
今回の表現についてはけっこう満足しております。昨年版がいいか、今年のやつが良いかは
お客様に選択して頂ければと思っております。